カタガキナシ

「愛」と「欲望」について語るブログです。

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全身サインだらけのジャンパーを着てタレント事務所のオーディションに行った時の話

 

  

今から1年ほど前、とあるタレント事務所が主催するオーディションに行った時の話です。

その時、私は芸能人のサインだらけのジャンパーを着て臨みました。

 

 

 

 なぜサインだらけになってしまったのか

 

大学4年の春、とある経緯でタレント事務所のマネージャーの方と知り合いになりました。

ある日、そのマネージャーの方からオーディションの募集のメールが届き、とてつもなく暇だったので参加することを決意しました。

 

オーディションの内容は、事務所のPR用の動画に出演するタレントを選出するものでした。

私はタレント活動など全く未経験なので、間違っても受かることはないなと思いましたが、「せっかくだから何か爪痕を残して帰りたい」と自分の中に眠っていた自己顕示欲が変なタイミングで姿を現しました。

 

演技も、歌も、ダンスもできない。そんな私がアピールするには一体どうすれば…。

無い脳みそを絞って必死に考えていると、ふとこんなものが眼に入りました。

 

 

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ペレのサインです。

友達へのプレゼントのため私が書いたのですが、「俺はサッカーにも興味ないし、とんねるずの熱狂的ファンでもない」と返されてしまったものです。

 

 

「これだ…。」 

アイデアが閃きました。

 

 

クローゼットを開け、ボロボロのジャンパーを取り出し、そこに白いポスカで芸能人のサインを書けるだけ書き殴る。

そうしてできたのがこのジャンパー。

 

 

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自分に披露できる芸が一つも無い以上、出会い頭のインパクトで勝負するしかない。せめてショックを与えて帰ろうと考えました。

 

どんなものが書いてあるかというと…。

 

  

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綾瀬はるかのサインです。

私が芸能人のサインの中でもっとも得意とするサインです。

 

 

 

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左肩には内田有紀のサイン。

「田」の字の崩した感じを再現するのに手間取った記憶があります。

 

 

 

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プラスチックリサイクルマークです。

なぜこれを書いたのか、全く記憶にありません。謎です。

 

 

 

 

裏にもいろいろ書いてあります。

 

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今となっては、達筆すぎてどれが誰のサインなのかさっぱりわかりません。自分で書いたのに。

 

 

 

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ねこちゃん。

 

 

 

 

全身サインだらけでいざ出陣

 

いよいよオーディション本番当日がやってきました。

 

 

サインだらけのジャンパーを身に纏い、大通公園を通り会場へ向かう。 

通りがかりの人からは

「何あの人…」「イかれてる」「Oh…it's crazy boy」

など様々なリアクションをいただきました。

 

やはり注目度は上々。

 

 

 

通行人の視線を浴びながらオーディション会場へ到着。

控え室に案内されると、すでに他の参加者がちらほらと集っていました。

それぞれ最後の追い込み練習だったり、他の参加者と談笑していたりと各々の待ち時間を過ごしていました。

 

その中で私は、知り合いも特にいないため、ぼーっとしながらただオーディションの始まりを待っていました。

全身サインだらけで。

  

この時、「家から着てこないでここで着替えればよかった」と思いました。

 

 

スベっているかもしれないという不安

 

そうしているうちに案内のアナウンスがかかり、オーディション会場へと案内されました。

 

ドアをノックして会場へ入ると、劇団の主宰者や大手芸能プロダクションの社長、地元テレビ局のプロデューサーなど様々な分野から集められた総勢10名ほどの審査員が座っていました。

  

参加者も審査員たちの前に横並びになり、まずは一礼。 

私の方を見ている審査員もいましたが、リアクションはいたって普通のものでした。

  

まずい。ファーストインプレッションで衝撃を与える作戦なのに、普通の対応をされてしまった。

なぜ何もリアクションをしない?全身サインだらけのジャンパーをきた奴が何食わぬ顔でオーディションに来ているのに。

 

 

 

「もしかして俺は…スベっているのか?」

 

 

 

一抹の不安に駆られながら順番を待っていると、ついに私の番が回ってきました。

 

 

自己紹介をすると、事前に用意された演技課題をするように言われました。

内容は「昨日嫌なことがあったけど勇気リンリンポーズで自らを鼓舞する」というもの。

 

 

勇気リンリンポーズって何だ?よくわからないがやるしかない。 

朝起きてカーテンを開ける動作をした後、この構えをとりました。

 

 

 

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審査員が呆気にとられる中、目を思い切り開き

 

  

「覇!!」

 

 と叫んで舞台袖に退場しました。

 

 

前日にGoogleで「鼓舞 構え」で画像検索したら、ミッ○ーマウスがこんなポーズをしている写真があったのでその真似をしてみたのです。

 

ありがとうミッキーマ○ス。

 

 

他の参加者が少しざわつき始めました。

よしよし、と心の中でほくそ笑む。

 

 

個人のアピールタイムが全て終了した後、審査員の一人から参加者全員にこんな質問が投げかけられました。

 

 

「みなさんの尊敬する人を教えてください」

 

 

大体の参加者は、自分の親だったり歴史上の偉人などの名前を挙げていました。

私以外は皆タレントとしてのチャンスを掴み取るために来ているので、審査員が高評価をするような回答を心がけていたのでしょう。

 

 

私に回答の順番が回ってきました。

 

「カーネル・サンダース氏です」

そう答えました。

  

鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしながら、審査員はさらに理由を聞いてきたので

「顔ですかね」

 と答えると、会場に笑いが起こった。

  

この日一番手応えを感じた瞬間でした。

でも、結局最後までジャンパーのことは誰も触れてくれませんでした。

 

 

 

 

 

帰り道、オーディションの前まで感じなかった高揚感を感じました。

 

せっかく作ったジャンパーはウケなかったけど、アピールの時にした構えと質疑応答で笑いが取れた。

このことで少しだけ自信がついたような気がしたのです。

冷やかしで行ったオーディションですが、以外と得たものはあったような気がしました。

 

ちなみに、後日届いた審査評にはこんなことが書いてありました。

 

 

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普通にダメ出しされました。

 

 

 

ちなみにオーディションは不合格でした。