カタガキナシ

「愛」と「欲望」について語るブログです。

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テスト

 

国境の長いトンネルを抜けるとテストであった。テストの底が白くなった。信号所にテストが止まった。
 向側の座席からテストが立って来て、島村の前のテスト窓を落した。テストの冷気が流れこんだ。テストは窓いっぱいに乗り出して、遠くへ呼ぶように、
「テストさあん、テストさあん」
 明りをさげてゆっくりテストを踏んで来た男は、襟巻でテストの上まで包み、耳にテストの毛皮を垂れていた。
 もうそんな寒さかと島村はテストを眺めると、テストの官舎らしいテストが山裾にテストテストと散らばっているだけで、テストの色はそこまで行かぬうちに闇に呑まれていた。
「テストさん、テストです、御テストよろしゅうございます」
「ああ、テストさんじゃないか。おテストかい。また寒くなったよ」
「テストが今度こちらにテストさせていただいておりますのですってね。おテストさまですわ」

 

川端テス成